知らないと損するお金の常識!銀行と政府はこうしてお金を生み出している

「お金はどこから来るのでしょうか?」

多くの人は政府が印刷している
あるいは、
銀行は私たちが預けたお金を誰かに貸している

と考えているかもしれません。


しかし、その常識、実は正しくありません。

私たちが学校や家庭で教わるお金の話は、
個人の家計管理が中心です。

国全体の経済となると、お金の動き方は全く異なります。


この記事では、
多くの人が誤解している「お金の正体」について
驚くべき真実を解説していきます。

目次

世の中のお金の9割以上は「現金」ではない

まず、世の中に存在するお金の総額について考えてみましょう。


経済の世界ではこの総額を「マネーストック」と呼びます。

現在、日本のマネーストックは約1280兆円にものぼります。

では、このうち、私たちが普段使っている紙幣や硬貨、
いわゆる「現金」はどのくらいあるのでしょうか?


実は、わずか約100兆円に過ぎません。


つまり、世の中のお金の9割以上は印刷された紙幣ではなく、
銀行のコンピューター上に数字として存在する「銀行預金」なのです。

私たちが「お金」として認識しているものの大部分は、
実体のないデジタルな記録
に過ぎません。

銀行は「無」からお金を作り出している

「銀行は、預金者から預かったお金を別の誰かに貸し出している」

これは最も広まっている誤解の1つです。


実際の銀行業務は、全く異なる仕組みで動いています。

この仕組みの起源は金貨が使われていた時代の両替商に遡ります。

人々は重くて不便な金貨を両替商に預け、
代わりに「預かり証」を受け取りました。

やがて、この便利な「預かり証」そのものが
お金として市場で流通し始めます。

それに気づいた両替商は、実際に預かっている金貨の量を超えて、
貸付のために新しい「預かり証」を発行するようになりました。

預かり証が信用されている限り、
誰も金貨を引き出しに来なかったからです。

現代の銀行もこれと全く同じ原理で動いています。

例えば、銀行が3,000万円の住宅ローンを承認するとき、
金庫からそのお金を探してくるわけではありません。

単に、借主の口座に「30,000,000円」とキーボードで
打ち込むだけです。


まさにその瞬間に、銀行の資産である「貸付金」と
銀行の負債である「新たな預金」が無から同時に作り出される
のです。

銀行は全くゼロの状態から、
「銀行預金」というお金を発行しています。

政府の借金(国債発行)は民間の預金を「増やす」

「政府が借金をすると民間の貯蓄が使われてしまう」というのも、
よくある勘違いです。

実際には全く正反対のことが起こっています。

政府が借金をする、つまり国債を発行するプロセスを見てみましょう。

  • 政府が国債を発行する
    例えば、新しい公共事業(道路建設など)のために
    お金が必要になったとします。
  • 銀行がその国債を買い取る
    銀行は、政府にお金を貸す形で国債を購入します。

    このとき使うのは預金者のお金ではなく、
    銀行が日本銀行に持っている「日銀当座預金」です。
  • 政府はそのお金を民間の会社に支払う
    政府は、国債発行で得たお金を公共事業の発注や
    公務員の給料といった形で民間へ支払います。 

    民間企業への支払いは「政府小切手」と言う形で
    支払われます。
  • 支払いを受けた会社はそのお金を銀行に預金する
    支払いを受けた会社は「政府小切手」を受け取り、
    それを取引銀行に持ち込みます。

    銀行はその小切手を新しい「銀行預金」に振り替えます。
  • 民間の銀行預金の総額が増える。
    政府がお金を使った分だけ、民間企業の預金が増え、
    世の中全体のお金の量が増加したことになります。

こうして、政府が国債を発行した分だけ、
民間の銀行預金は「増える」ことになります。


政府の借金は巡り巡って民間の誰かのお金(預金)を
増やしている
のです。

税金で国の借金を返すと民間は「貧しくなる」

前のセクションで、
政府の借金が民間の預金を増やすことを見てきました。

であるならば、その逆もまた真実です。

もし、政府が民間から集めた税金を使って国債の返済を行うと、
何が起こるでしょうか?

政府が借金を返済するために使った税金は、
その借金が最初に発行されたときに作り出されたお金を
今度は「消滅させられる」
ことを意味します。

つまり、政府が税収で借金を返済するという行為は、
その分だけ世の中からお金が消滅し、
民間部門全体の純金融資産が減少するという構造になっている
のです。

まとめ

私たちが普段使っているお金の9割以上は、
実は現金ではなく銀行のコンピューター上の数字でした。

銀行はローンを組むたびに新しいお金を作り出し、
政府が借金をすると民間のお金が増える仕組みになっています。

これは家計の常識とは真逆の話ですね。


このお金の仕組みを知った上で、
あなたは経済ニュースや政府の政策をどのように見ますか?

「国の借金で将来が心配」といったニュースを見かけたら、
今回学んだ内容を思い出してみてください。


この新しい視点が、
世の中の情報をより正しく判断できるようになる
1つのきっかけになればうれしいです。

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